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制限のあるなかで効率よく、楽しく
住宅街にたたずむ、自然派ワインを中心としたお酒と料理を楽しめるワイン食堂Lunette。
今回、オーナーシェフの井上さんに、移動する部屋MOTOCOのキッチンカーを使ってもらい、
そこから見えた新たな視点やこれまでの人生観についてお話を伺った。
制限のあるなかで
出来ることを考える-
外で調理をすることは「制限」が多く、ときに面倒くさいと感じることもある。
しかし、井上さんはむしろポジティブな感想を持っていた。
『(屋外などの)制限のある中でどうやるかを考えるのが好きなんです。』
作業工程を少なくしたり、フライパン一つで調理できるようにしたり…
調理法などを簡単にすることで『不便は感じず、単純に外での料理を楽しめた』という。
一見ネガティブなことを、いかに工夫してポジティブに考えるかという井上さんの人柄が見えた。
制限をかけられている中で、どのように効率よく、楽しく物事をこなせるかは外ごはんのポイントかもしれない。
大雑把に大胆に、素材を活かす-
今回のMOTOCO旅で得たことを、どのようにLunetteへ持って帰るのか―
『工程を少なくして、お店での仕込み時間をなくすことで、新しいことにチャレンジできるかもしれない。
また、大雑把だからこそ本来の味を楽しんでもらえる素材もある。』
今回試した「魚のぶつ切り」は、お店でやったことはなかったが、魚本来の旨味を大胆に引き出すことができた。
今後お店で出すとして、それが仮に食べにくくとも、より美味しい味が得られて、お客様の幸せのバロメーターを上げることができるかもしれない。
『みんなの満足度は僕の満足度と比例していると思っていて、まず僕が満足いく仕事ができれば、みんなの楽しさにも繋がると信じています。』
井上さんの進化は止まらない。
そもそもワインは好きではなかった―
自身でお店を「ワイン食堂」と表現し、ワイン初心者にも分かりやすい言葉で教えてくれる井上さんだが、
実はもともとワインはあまり得意ではなかった。
しかし、前職でワインについて詳しくなる機会があり、自主的に試飲会に参加したりと、熱心に独学で勉強をしていった。
『当時ワインの輸入業を営むお客さんから"状態が良くない。君はワインをもっと知った方がいい"と
業者や試飲会を含めいろいろ教えていただいたことが転機になりました。』
さまざまな出会いを通して自然派ワインにのめり込み、「どうすればみんなにとってワインがいい存在になれるか」と
来店するお客様にもワインに興味を持ってもらいたい気持ちが強くなった。
自分にとって菓子作りとは
“心を整える存在”であった―
料理人としての原点は子供の頃ハマった菓子作りで、パティスリーでの勤務経験もある。
緊急事態宣言下の去る5月には、「Lunette菓子店」を期間限定でオープン。
久しぶりにじっくり向き合ったことで、改めて”菓子作りとは”を見つめ直すことができた。
『店を始めてからいつかやりたいと思っていたけど、作り続けるということは僕にとって想像以上に大変でした。
以前からストレスが溜まった時にこそ菓子作りをしてリセットしてきたので、楽しかった反面嬉しい悲鳴でしたね』
そして井上さんはこう続ける。
『もし初めから菓子店をしていたら早々に心折れていたかもしれません。
料理やワインが中心だからこそ、いい距離感で続けられているんだと思います。
新しいアイデアやレシピも生まれたし、来てくれた方々のいつもと違った反応を見ることができてすごくいい経験になりました。
いつかZINEなどにレシピをまとめたいなとも思っています。』
そんな井上さんが目指す、「じぶんの家」のようなお店づくりとは…
毎年1回は辞めたいと
思うことがあった―
どんなにポジティブな人でも、ときに落ち込み、考え込んでしまうこともある。
井上さんも同じく、お店を始めてから5年間、毎年1回は辞めたいと思うことがあった。
『どうしても上手くいかないときは落ち込んでしまいます。ただ、そういうときは一度メニューを見返して、
これでいいのとか考えていました。そうすると、まだ自分になおせるところがあると思い…』
落ち込んでも、井上さんはそれをバネにしていった。
『直せるところがあるのに辞めるのは意に反してます。負けず嫌いな性格もありますが、
常連さんの存在がモチベーションアップにつながります。』
凹んでは立ち直るを繰り返し、今のLunetteがある。お店を影で支えていた、確かな存在はお客様だった。
お客様にとっての家のような
存在であり続けたい―
Lunetteの店内では、お客様が1日の疲れを癒やせるように選曲にもこだわる。
井上さんの持ち前の明るいトークに加えて、音楽を通して「ポジティブカロリー」をお客様に注いでいる。
『来てくれたからには、前向きな気持ちになって帰ってもらいたい。そのために何ができるかに尽きます。』
例えば、思いっきり落ち込んだり、おいしいご飯を食べたり…
お店にきたお客様が「自分の家のように」くつろいだ時間を過ごすことで、前向きな気持ちになれる場所にしたい。
それは、MOTOCOにも通じることだと言う。
『移動できる部屋(MOTOCO)だからこそ、思いっきり落ち込めたりして、
最終的に前向きな気持ちになれる。それはお店もMOTOCOも同じだと思います。』
あとがき
実際に一緒に1日行動してみると、想像をはるかに超えるポジディブな人柄で、
彼をとり巻くオーラから全面的に出ているように感じました。
ポジティブな思考回路を持つ人は、笑顔がすてきで自然と周囲を明るくすることができる、彼はそんな印象でした。
「ポジティブカロリー」の高い性格があるからこそのLunetteで、
それに魅了されてリピートしたいと感じるお客様が増えるんだと思いました。
Lunette 井上さんのインタビューで訪れた場所を
マップで紹介。
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下記のメールアドレスへご連絡ください。
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